歯周病治療
- 01 位相差顕微鏡による細菌検査
歯周病治療において重要なのは、その原因となる細菌をいかに特定し減らせるかです。
歯周内科ではまず、位相差顕微鏡を使用し、細菌の有無とその活動性を見極めます。
歯周内科に限らず、お口の中の細菌の状態を定期的にチェックすることで、口腔内の衛生状態を確認することができます。
- 02 リアルタイムPCR検査
細菌の種類とその数を特定し、より詳しく口腔状態を検査します。
細菌の数と種類を特定することで、どのお薬が具体的に効果的であるかが判断できます。
- 03 お薬による除菌
細菌の種類と量が特定できたら、いよいよお薬による治療スタートです。
内服薬および歯ブラシにつけるシロップを使用し、歯周病原因細菌を除菌します。基本はこれだけです。
大変だった歯周病治療も比較的に簡単にかつ短期間で治療できます。またこの歯周内科治療は、原則一生に一回の治療となり、効果も持続させやすいです。
患者様と2人3脚で行う、丁寧な歯周病治療
今や成人の80%以上が罹患していると言われている歯周病ですが、一言で「歯周病」と言っても、その進行段階により症状も治療法も大きく異なります。
比較的初期の段階であれば身体への負担も経済的な負担も少なくてすみますが、症状が進んでしまうと大掛かりな治療が必要になることがほとんど。最悪の場合は抜歯をせざるを得ない状況になってしまいます。
歯周病は初期の段階では自覚症状が出にくいので発見が遅れがちです。少しでも気になることがあれば早めに対処するようにしましょう。
CT(3Dレントゲン)による正確な診断
通常、歯周病治療に関してはレントゲンを用いて診断を行うというのが一般的です。
ですが、歯周病の場合は歯の周りの骨が溶けて少なくなっていく病気ですので、部分的に溶けていたり厚みが大きく変わる部分があったりと骨の状態が様々です。
CT解析は3次元の立体画像として情報を得ることができるため、従来のレントゲンでは分らなかった骨の厚みや形状などを正確に把握することができます。
状況をしっかりと把握し、正確な診査診断を行うことが、正しい治療への第一歩に繋がります。
マイクロスコープによる精密歯周治療
肉眼では確認できないような歯周ポケット内にたまった汚れや歯石も、マイクロスコープを使用することでしっかりと確認することができます。
また、歯周病が進んでしまい外科手術が必要になった際も、マイクロスコープを用いて手術を行うことによりミクロン単位での治療を行うことができるため、体への負担も抑えながら精度の高い治療を行うことが可能です。
衛生士は担当制
当院では、スケーリング&ルートプレーニングはすべて、担当の衛生士が行います。
一人の患者様をずっと同じ衛生士が担当することのメリットは、患者様の歯茎の状態の変化を敏感に察知し、適切な処置や対応することができること。
文字や言葉、写真だけではわかりにくい、また、患者様ご自身も気が付いていないようなちょっとした変化も敏感に察知し、適切な処置を行うことで、症状の悪化や虫歯を未然に防ぎ、余計な治療をせずに済むことも多々あるのです。
担当衛生士は、いわば患者様のお口の健康の見張り番。
どんなことでもお気軽にご相談、ご質問いただければと思います。
当院で行う歯周病治療
歯周内科治療
歯周内科治療とは、一言でいえば、お薬で歯周病を治していく治療法です。
そもそも歯周病は細菌感染により進行する感染症です。ほとんどの感染症がお薬で治療できる今の時代、歯周病はなかなかその効果が得られませんでした。
しかし、ようやく歯周病に効果的な薬剤が開発され、そのエビデンスも確固たるものとなってきました。
まさに今、世界的にも注目されている歯周病治療法なのです!
歯周内科治療の流れ
スケーリング
歯にこびりついた歯石や歯垢を除去することです。スケーラーという器具を使用し、歯面に沈着した歯垢、歯石、歯間の汚れを機械的に除去していきます。
最初は施術時にチクチクと感じるかもしれませんが、歯周ポケットが浅くなるにつれて段々和らいでいきます。
ルートプレーニング
細菌に感染してしまった歯根の表面(セメント質)を取り除き、磨いてツルツルにします。 感染してしまった組織は元に戻らないため、基本的に除去します。
歯垢は歯石のような粗い表面に付きやすく、反対に滑らかな歯の表面には付きにくい特徴があります。
フラップ手術
歯周ポケットが深いと、スケーラーが上手く奥まで入らず、歯石を取ることが出来ません。そこでメスで歯肉を切開し、目視で歯石を除去し、表面を滑らかにするフラップ手術を行います。
歯石除去が終わったら、歯肉を元に戻し縫合します。歯周ポケットを清掃すれば、歯周組織は改善します。
骨造成
インプラント等、骨がなければ治療が行えないケースがあり、そういった場合は骨をつくる、骨造成という治療を行います。
人工骨移植
骨を失ってしまった部分に人口の骨を移植することで骨の再生を図る方法です。
骨の足りない部分に人工的な骨の粉末を補填し、骨造成シートをかぶせて時間を置くことで骨の再生を促す方法です。
自家骨移植では移植骨を採取するための手術が必要となりますが、人工骨移植の場合は採取のための手術が不要ですので、患者様の負担を少なくすることがメリットとして挙げられます。
しかしながら、骨の再生能力は自家骨に比べて低いため、治療の成功率を上げるために自家骨と混ぜて使用する場合もあります。
自家骨移植
自家骨移植とは、骨移植の際に人工の骨ではなく、自分の骨を移植することで骨の再生を図る方法です
自分の骨を使用するので安全で安心できるという事、治療の成功率も高いという事が最大のメリットかと思いますが、その反面、健全な部分から骨をとる手術も必要になるため、身体への負担が大きくなってしまうというデメリットもあります。
エムドゲイン(自由診療)
エムドゲインとは、豚の歯胚組織からつくられたタンパク質を主成分とする歯周組織再生材料です。
フラップ手術により歯石や汚れをしっかりと取り除いたあと、失われてしまった骨の部分にエムドゲインゲルを塗布することで骨の再生を図ります。
エムドゲインは世界の約40ヶ国以上で使用されている安全性の高い材料で、2002年には日本でも厚生労働省の認可を受けておりますが、保険の適用が認められていないため、自由診療での治療になってしまいます。