口腔がん検診
- 口内炎
- 歯列不正(歯並びが悪い)
- 義歯不適(入れ歯が合わない)
- 舌・頬の圧痕(恒常的に歯の痕が付く)
- 咬傷(口の中の噛み傷)
- う蝕(虫歯)
- 歯周病
- 詰め物や被せ物不適
- 舌小帯付着異常(舌の裏の紐のような部分)
- アマルガム(金属の詰め物)
- 他
がんに限らず、どのような疾患も「早期発見・早期治療」が大切です。
口腔がんは初期段階で発見・治療ができれば後遺症もほとんどなく回復が見込めますが、進行して手術が必要となった場合、舌や顎の骨を切断してしまったり、顔が変形したりすることがあり、そのために「食べる」「飲む」「話す」「呼吸する」などといったお口の機能が妨げられ、「生活の質」が大きく低下してしまう場合があります。
早期発見さえできれば十分に回復が見込めますので、取り返しのつかない状態になる前に、定期的に検査をして早期発見に努めて頂きたいと思います。
早期発見のために、確かな診断力が不可欠です
当院では、世界で約2,500万以上の症例実績のある口腔内蛍光観察装置「VELscope®Vx(ベルスコープ)」を使用した検診システムを採用しています。
VELscope®Vx(ベルスコープ)は、口腔内に特殊な光を照射し、癌を発見できる口腔ガンの健診装置です。
目視による色の判別で判断できますので、短時間で痛みもなく、初期の癌でも高い確率で発見できるようになりました。
当院では、口腔がんのスペシャリストでもある柴原孝彦先生が在籍しておりますので、些細な異変も見逃さないより確実な診断をご提供することができます。
柴原 孝彦(しばはら たかひこ)
職歴
昭和59年12月 東京歯科大学口腔外科学第一講座助手
昭和61年7月 国立東京第二病院歯科口腔外科
平成元年8月 東京歯科大学口腔外科学第一講座講師
平成 5年6月 ドイツ・ハノーバー医科大学に留学
平成12年6月 東京歯科大学口腔外科学第一講座助教授
平成16年8月 東京歯科大学口腔外科学第一講座主任教授
平成17年4月 東京歯科大学口腔外科学講座主任教授
平成27年4月 東京歯科大学口腔顎顔面外科学講座主任教授
資格など
日本口腔外科学会専門医・指導医
日本顎顔面インプラント学会指導医
日本老年歯科医学会指導医
日本口腔腫瘍学会暫定口腔がん指導医
日本有病者歯科医療学会指導医
外国人臨床修練指導歯科認定医
ICD制度協議会インフェクションコントロールドクター
市川総合病院口腔がんセンター センター長、教授
専門分野
口腔がん診断と治療、顎顔面再建
こんな症状が実は病気のサイン?
ご存知ですか?口腔がんの原因...
口の中の小さな問題から「がん化が始まる」と言っても過言ではありません!
下記のようなお口のトラブルは、全て口腔がんの原因となり得ます。 思い当たる症状のある方は早めに歯科医師に相談しましょう
たかが口内炎だと安心していませんか?
口内炎とは、文字どおり口腔内の粘膜に起こる炎症で、多くは頬の内側、舌、歯ぐきなどにでき、小さな白い円形のものから赤く腫れて潰瘍を引き起こすものがあります。食べ物や飲み物がしみる、歯磨きのとき歯ブラシが当たると痛む、会話しづらくなるなど、不快な症状を体験した人は少なくないでしょう。
口内炎は直径1mmくらいのものから約1cmの大きさまでさまざまですが、多くの場合、2週間くらいで治癒します。そのため口内炎ができても「ほっておけば治る」「大したことはない」と思われがちですが、口内炎を繰り返すことによって口腔がんを発症する、口内炎だと思っていた症状が実は口腔がんだった、ということもあるのです。
2週間以上経っても口内炎が治らない場合は、速やかに歯科医院にかかるようにしましょう。
危険な口腔粘膜疾患
●がん化の可能性がある白板症(はくばんしょう)
舌や頬の粘膜、歯肉の一部が白くなるもので、食べ物がしみる、歯ブラシが当たると痛いなどの症状があるため、口内炎と間違えることがあります。口内炎は約2週間で治癒しますが、白板症の場合は範囲が広がり、白い部分が厚く盛り上がって、びらん(粘膜の浅い欠損)や潰瘍、しこりがみられるようになります。びらん、潰瘍、しこりを伴う場合、初期の口腔がんの可能性があるため、組織を取って検査をする必要があります。
原因は、義歯の不適合、ガルバニー電流(歯に詰められた金属によって発生する口腔内電流)、ビタミンA・Bの不足、喫煙などで、歯科的治療、ビタミンの投与、禁煙などの治療を行います。
びらん、潰瘍、しこりがある場合はがん化する可能性が高いため、切除する場合があります。
●がんになっている可能性が高い紅板症(こうばんしょう)
舌や歯ぐきなどの口腔粘膜の一部が鮮紅色になり、あきらかに周囲と色が違うのがわかります。食べ物や飲み物、歯ブラシが当たると刺激があり、50%ががん化する、もしくはすでにがんになっている可能性が高い疾患です。
50歳以上の方が紅板症の80%を占めていますが、それ以下の年齢でも発症する可能性は十分にありますので油断できません。がん化の可能性がとても高いため、手術によって切除します。
口腔がんの症状
口腔がんの場合、初期は自覚症状がほとんどありません。痛みがある、食べ物や飲み物がしみる、違和感がある、首のリンパ節が腫れる、なかなか口内炎が治らない、といった症状が出てきたときは、すでにがんが進行している状態です。
目に見える症状として、舌や粘膜の変色があります。ほかにも、しこりがある、ざらざらした突起・潰瘍、口の中の痛みしびれ感、物が噛みづらい、飲み込みにくい、話しづらい、顎や舌を動かしにくいなどの症状が現れます。
●舌がん
歯が欠けたり虫歯になったりして尖った部分がある、詰め物や被せ物の不適合、入れ歯が合わないなど、舌に慢性的な刺激が加わると、口腔がんを発症する場合があります。初期段階では潰瘍やびらんができますが、進行するにつれて、食事のときにしみる、歯ブラシが当たって痛むという自覚症状が現れてきます。さらに進むと、食事をするのが困難になる、言葉が発音できないなどの障害が起こり、がんが舌のつけ根や咽頭部に達すると舌を動かせなくなることもあります。
●歯肉がん
歯肉がんの多くは上顎より下顎に発症することが多く、奥歯の近くにみられます。初期段階では歯肉が腫れるくらいで、強い痛みはありません。進行すると潰瘍やしこりができ、腫瘍が大きくなって表面がカリフラワー状に盛り上がり、出血がみられます。腫瘍が下顎の神経まで進行すると、下唇の麻痺や歯の傷みを感じることがあり、虫歯と勘違いして放置した結果、治療が遅れるケースも報告されています。がんが咽頭部にまで広がると、顎を動かしにくい、口が大きく開かなくなるといった症状が出ます。
●口腔底がん
口腔底は舌の下の部分にあたり、がんは前方に多く発症します。喫煙と飲酒が大きく影響していると言われ、近年では女性の口腔底がんが増えていると危惧されています。初期段階では、小さな潰瘍ができる、粘膜が変色して白斑がみられる、充血による紅斑が生じる場合があります。ほとんど痛みを生じないため、かなり進行してからようやく治療を始める、というケースも少なくありません。口の底は狭く、がんが周囲の組織に浸潤して舌や歯肉、下顎骨にまで広がっている場合があります。
●頬粘膜がん
上下の臼歯の周辺粘膜、口角の後ろなどに発生しやすく、詰め物や被せ物の不適合、合わない入れ歯による刺激、喫煙や飲酒などが原因と考えられています。初期段階は小さな潰瘍やびらんがみられますが、特に目立った症状はありません。進行すると顎下リンパ節や上内深頚リンパ節に約50%の確率で転移します。触ったとき、粘膜の下にしこりやふくらみ、痛みを感じることがあります。
●口蓋がん
上顎に発症するもので、喫煙や飲酒、刺激物(辛い食べ物など)が要因と考えられています。初期段階では痛みはほとんどありません。進行すると、粘膜の表面が白っぽくなる、赤い斑点ができるなどの症状が現れます。激しい痛みはありませんが、ピリピリした刺激を感じる場合があります。もっと症状が進むと腫瘍ができて、強い痛みを感じるようになります。
●口唇がん
口唇粘膜と皮膚の境目にある皮膚や粘膜部分に発症します。喫煙や紫外線、アルコールなどが要因とされていますが、口腔内にできるがんに比べて発症率は少ないとされています。初期段階では、口唇の表面が荒れる、かぶれるなどの症状がありますが、進行すると、しこり、潰瘍、びらん、カリフラワー状の腫瘤がみられます。
口腔がん検診のながれ
1.問診票の入力(記入) (5分)
口腔がんになる要素がどれくらいあるか?生活習慣についてご入力(ご記入)いただきます。
2-1.視診・触診・写真撮影(5分)
視診:お口の中の異常がないかを目で確認します。
触診:ゴム手袋を付けた指で触り、しこりや盛り上がっているところがないかを調べます。
異常を発見した場合、お口の中の状態を写真撮影します。
2-2.口腔内蛍光観察装置を使った観察・写真撮影 (5分)
口腔内蛍光観察装置でお口の中に青色光を当てて、異常がないか観察をします。
そのままお口の中の状態を写真撮影します。
3.報告書を元にカウンセリング (5~10分程度)
結果を報告書にまとめ、それを元に口腔内の現状に関しカウンセリングを行います。
口腔内に関し、歯科医師から指摘を受けた場合は、速やかに口腔内の治療や改善を行ってください。